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弁護士堀鉄平の交渉の奥義!’交渉の目的は、あくまで「勝つ」こと’ その①

本日は、交渉では勝つことが最優先事項であって、
気持ちをすっきりさせることを求めてはいけないということを覚えていただきたいと思います。

宴席に参加して誰かが楽しそうに話をしているのを聞いていると、
その人は自分の自慢話に終始していて、
「話が面白くない」と感じた経験はございませんか。

このようなズレは、その自慢話をしている人が、
自分がすっきりすることだけを考えていて、
聞き手である聴衆の気持ちを度外視しているからに他なりません。

このような独りよがりな人が、
その後の宴席に呼ばれにくくなることは火を見るより明らかです。

実は交渉も同じであって、自分の気持ちをすっきりさせることを優先する人は、
聴衆にそっぽを向かれるのと同様、勝負に勝つことはできません。

例として、お金のない人から債権回収するという事例をあげましょう。

たとえば友人に100万円を貸したところ、1円も返ってこないとします。
1円も返さないということは、もともと返すつもりがなかったのではないか?と
怒るのも仕方がないと言えるケースです。

これに対し、友人には友人の言い分があって、
「これは投資してもらったもので、私の方で運用に失敗したのですが、
あくまで投資の失敗ということで、法的には返す義務はありません」と反論してきたとします。

100万円を預かっておいて、1円も返さないというのはさすがに無理がありますので、
おそらくこの友人は、100万円を自分の借金の返済にあてたのか、
はたまたギャンブルにつぎ込んでしまったか何かで、
最初から返すつもりもなかったというのが実際のところでしょう。

このときに、怒りにまかせて、「裁判で自分の主張が正しいことを証明してやる!」と意気込んで、
民事の裁判を起こして判決をとってみるのも1つの方法です。

当然「100万円支払え」という自分の言い分の通った判決がおりますので、
気持ちはすっきりするでしょう。

ですが、そのような判決をとってみても、お金がない友人はその判決を無視するでしょうし、
こちらとしても強制執行する財産を見つけることもできないでしょうから、
結局1円も回収できないということになります。

このような場合は、「当初からの計画的な詐欺ということで、刑事告訴の検討も視野に入れている。が、
こちらとしてももともと仲の良かった時期を忘れるものでもない。
半分の50万円を一括でなんとか戻してくれたら、残りの50万円は放棄するし、警察沙汰にもしない」と言って、
現実の回収を優先するべきです。

このような勝つことに焦点を絞るという交渉術は、
何もお金の絡んだ交渉ごとのみに必要なものではなく、
些細な日常生活での出来事にも応用できるものです。

(その②に続きます!)

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