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弁護士堀鉄平の交渉の奥義!『持たざるべきは、権限!』 その2

(その1の続きです!)

交渉術における、ディフェンス技術

このような「権限を持ってはいけない」という交渉術は、
オフェンスというよりは、実は交渉能力の低い人でも負けないようにするためのディフェンス技術に他なりません。

「主人がいなくても私一人で決められる」とわざわざ宣言しつつ、
「商品のどこそこが気に入らないから買いません」と明確に拒絶できる
意志の強い主婦であれば特に必要のない技術とも言えます。

しかし、そのような方であっても、
弁護士に依頼するような事件に巻き込まれた場合に備えて、
やはりこの技術を覚えておくべきでしょう。

金額の大きな損害賠償請求の交渉などにおいては、
こちらが弁護士に依頼した後であっても、
交渉能力に長けた相手方は、弁護士を無視して、
あえて依頼人に直接交渉を仕掛けてくることがあります。

これは、相手方は、交渉のプロである弁護士とやり合うより、
依頼人本人とやり合った方が自分に有利に交渉を進められるからに他なりません。

時には情に訴えたり(「弁護士を使うとは反省の態度がないのではないか」とか、
「男同士の話し合いなのだから、法律家は入れるな」など)、
時には弁護士を外してくれたら譲歩するなどと甘言を弄したり、
とにかく様々な手法で弁護士を外して、
交渉能力の低い依頼人本人に直接交渉を仕掛けてきますので注意が必要です。

この場合も、「弁護士に一任しているので、私には交渉の一切の権限がない」
の一点張りでディフェンスしないと、大変なことになってしまうのです。

以上のように、交渉を優位に進めるためには自分自身が権限を持たないことが重要なのですが、
逆に、相手方には権限を持ってもらった方がよいことは言うまでもありません。
とにかく、権限のある人を引きずり出しましょう。

たとえば、スポーツジムのパーソナルトレーナーの予約の場面を考えてみてください。

自分のお気に入りのトレーナーの予約を入れようと、
スポーツジムに電話したところ、
「その日は終日予約が埋まっています。」と言われたとしましょう。

「自分はかなりのお得意様なのに、
マニュアルどおりに空きがないとは何事か!」と腹が立ったとしても、
電話対応のオペレーターにはマニュアル外の決定権限がありません。

こういうときは、「Aさんに代わってください」と言って、
担当トレーナーと直接話してみてください。

本当に自分がお得意様で、トレーナーとの仲が良好であれば、
「その日は予約で埋まっているのですが。・・・わかりました。
他ならぬBさんのお願いですから、朝9時に来ていただけますか?
営業時間前ですが、1時間であれば承ります。」などと優遇してくれるものです。

これは、権限のある担当者と直接交渉したからこそ得られる結果ですね。

では、今回はこの辺で。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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