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弁護士堀鉄平の交渉の奥義!「斬って勝つのではない、勝ってから斬るのである」その1 

一見精神論、実はロジカル

今回は、勝ってから斬れ!ということを学んでいただきたいと思います。

剣の達人は、相手と向き合った瞬間、
斬るタイミングや斬る場所を既に見切っているのだと言います。

つまり、斬る前の段階で既に「勝負あり」ということで、
斬るという行為そのものは、既に勝ったことの確認に過ぎないのです。
斬ったから勝つのではなく、勝ってから斬るのです。

こう言うと精神論と思われるかもしれませんが、
実はとてもロジカルな話であり、特に交渉の場面では、
勝ってから斬るということは非常に重要になってきます。

すなわち、交渉においては、
戦う前から勝負がついていることがほとんどだということです。

具体例を挙げましょう。

私のクライアント企業からの相談で、
退職した元取締役Aが、辞め際に、取締役会の決議を経ないで、
Aが懇意にしていた取引先Bに対して高額な設備投資の発注をする約束をしてしまい、
退任後にBからその履行を求められて困っているという件がありました
(この会社は、Bとの取引に限り、一定の取引権限をAに事実上認めていました。)。

この会社は、このAと紛争となっており、
当然この件についても損害賠償請求をしたいということでした。

このような事案ですが、この会社は、これまで高額な設備投資を行うときは、
財務状況や将来の収益予測を取締役会で協議を重ねた上で、
取締役会の決議で経てきたという取扱いをしてきました。

会社としては、現状の財務状態ではBへの発注を認めるのはかなり厳しい一方で、
Bが大事な取引先であることを考えると、
元取締役から一度発注すると伝えてしまっている以上、
発注せざるを得ないと考えていました。

つまり、結論としてはB社への発注は認めて、
その損害をAに請求したいという意向だったのです。

 

(その2に続きます!)

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