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弁護士堀鉄平の交渉の奥義! ”伝家の宝刀、「最後通告」” その②

(その①の続きです!)

相手方も満足するという意外な効果

そこで、私は、和解により
早期に現金を回収することを優先することとしました。

顧問先に対して、「1200万円でも現金で回収することができれば御の字です。
2000万円全額に拘って1年後に1円も回収できないという結果になるくらいであれば、
今すぐに、確実に、1200万円だけでも回収しましょう」と提案し、
受け入れてもらったのです(1200万円という数字は、
裁判所もその数字であれば和解を相手方に勧めてくれるであろう数字でした)。

以上の状況で、私は1200万円という条件を相手方に飲ませるために、
冒頭の最後通告という手段を用いたのです。

「この金額で和解します。もし受け入れていただけない場合は、
御社の取引先A社に対して有する債権を仮差押えします。」と。

これは相手方に対して相当なプレッシャーとなります。

訴訟の途中でも、条件を満たせば
相手方の財産を差し押さえることができるのですが、
売掛金を差押えられると、相手方は資金ショートしたり、
取引先から取引を打ち切られたりと、たまったものではありません。

和解しないと差押えに移行すると最後通告することで、
「もう少し減額してください。」とか、
「キリよく1000万円でどうですか。」
などとは言わせないようにするのです。

もし私が、単に「1200万円でどうですか。」と最後通告なしに
金額を提案しただけであった場合と比べてください。

相手方からさらなる譲歩を迫られることになり、
和解がうまくまとまらないか、金額を減額させられるのは明らかなのです。

ところで、このような最後通告ですが、
実は、相手方にとっても満足感が得られるという効果を有しています。

最後通告を申し渡された相手方は、
「先方が、1200万円より低い金額なら
平和的な和解はしないと言っている以上、これが底値だ」

「これ以上は値切ることは難しいな。」

「もともとの2000万円をよくここまで値切ることができた。」

と、ギリギリの交渉を勝ち取った満足感を得ることができるのです。

最後通告によりこのような満足感を得られるからこそ、
相手方も和解に応じてくるものです。

重大なミスをした部下に対しては、
ある程度の処罰は加えたうえで、
「本来はクビにする事案だぞ。
ただ、君に最後のチャンスを与える。次は私も庇いきれないよ。」
と、最後通告を言い渡してみましょう。

最後通告なしで、単に処罰を加えただけの場合よりも、
部下は、「最後にチャンスを与えてもらった。」と発奮してくれることでしょう。

それでは、本日はここまでとします。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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