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交渉の奥義『ミスリードトリック』その1 弁護士堀鉄平

『ミスリードトリック』その1 弁護士堀鉄平

~表面的な論点の影に潜む重要な問題~

さて、本日は、「幾何の問題に見せかけて、じつは関数の問題」
といったミスリードトリックをご紹介します。

このミスリードトリックは、東野圭吾氏の「容疑者Xの献身」で
天才数学者である主人公Xが使用したトリックです。

三月九日にAを殺害した事件の犯人Yを庇うために、
Xは三月十日に別の被害者Bを殺害します。

どういうことかと言いますと、
警察にはAが三月十日に殺害されたものだと誤信させて
(Bの死体をAだと細工したのです)、
三月十日のYのアリバイを作り上げるのです
(Yは映画館で映画を見て、その場で知人に遭遇します)。

A殺害の被疑者であるYの三月十日のアリバイが完璧であるため、
警察はそれを崩すことができません。

警察は、Yのアリバイ工作ではないかと疑い、
本当にYが映画館にいたのかなどアリバイ崩しに奔走しますが、
Yは三月十日には実際に映画館に行っていますので、
これが崩れることはあり得ないのです。

作中では、「アリバイトリックと見せかけて、
実は死体入れ替えトリック」と紹介されています。

このミスリードトリックは、交渉の場面でも活用できます。

かつて、顧問先である飲食店MAから、
Z社が立食パーティー料金一〇〇万円の支払いをしてくれない
ということで、債権回収の依頼を受けたことがありました。
Z社も一〇〇万円を支払う義務があることは認めつつも、
資金繰りの関係で支払いが難しいというものでした。

Z社には、差し押さえの対象になるような
目ぼしい資産も見当たりませんでしたので、
分割を認めてでも自主的に返済するよう
交渉する必要があったのですが、実はもっと
重要な問題が別にあったのです。

それは、時効の問題です。

飲食店などの飲食代金は短期消滅時効にあたりますので、
たった一年で消滅時効が成立し、
Z社が時効を持ち出せば(援用と言います)
法的に請求ができなくなってしまいます。

そこで、私としては、時効を中断させることが至上命令だったのです。

時効を中断させる方法はいくつかありますが、
時間の関係上、本件では債務者であるZ社の債務の承認
(債務があることを認める内容の書面が取れればベストです)
を取るほかありませんでした。

( その2に続きます!)

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